カンボジアには古代から14世紀までの連綿たるプレ・アンコール〜アンコール期に造られたクメール建築遺跡群が積在する。これまでフランスをはじめとした多くの国家・研究者がこのテーマに携わってきたが、未だ土に埋もれて久しい寺院は多く、明らかになっていない事柄も尽きない。
本ゼミではクメール建築を対象として毎年テーマを持って研究を進め、多様な視点からクメール建築を明らかにしていくことを目的とする。
バイヨン寺院中央塔について、修復に向けて、3Dモデルを作成し、それを元に今後の修復計画の立案ややそのサポートとなる情報収集を進めていく。
また、遺跡と併せて、カンボジア及び周辺国家における近代都市の形成にも焦点を置き、アンコール遺跡群と近代都市の関係とその保存発展の方法も提案していく。
実際のゼミでは卒論・修論研究発表・指導のほか、プロジェクトや自主研究を計画し、各自研究を行う。
本年度の自主研究テーマでは、地方大型寺院とSiemReap近郊遺跡の比較、また今後の海外文献の読解の練習も兼ねてOlivier CUNIN氏が著わした"DE TA PROHM AU BAYON(DE TA PROHM AU BAYON (TOME I) Analyse comparative de l’histoire architecturale des principaux monuments du style du Bayon"を翻訳した後、考察を行っていく。