しつらえ研究会 2024

 日本の住宅は、建築様式、住み手の信仰や民俗、格式、当時の社会体制など、様々な要素が結集しながら変容し、現在の住宅像へと受け継がれてきた。「建築は住宅に始まり、住宅に終わる」(中川武:日本の家)という言葉があるほど、一人一人の生活体験から、社会・都市スケールの性格も内包した、身近でありながらも複雑な建築形態である。その中で、設計者や大工など実際の施工に関わった人々の思想は、住宅にどのように表れているのだろうか。
 本研究会では、近世〜近代における数寄屋造の大工が手がけた住宅を扱う。材質の選択、部材のデザイン、しつらえの観点から、書院からの逸脱から見える設計・施工者の思想を追い、設計者同士の住宅の比較、職人の流派ごとの傾向の読み取りを試みる。日本で「建築家」という名が生まれる前の人々が、自身の経験から住宅に込めたデザイン性を探り、その意匠論から彼らの「建築家」像を捉えることを目指す。

●ゼミ構成員(敬称略)
修士二年:芦澤有花(研究会長)、笠井那珠、山﨑麗
学部四年:黒田圭修、松野良郁、本吉あみ

●研究会日時
隔週金曜日11:00~